お知らせ

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東日本大震災困りごとなんでも相談(無料)

とうほくふるさと情報H26年6月版②
~東京司法書士会でピックアップした東北関連の情報をお届けします~
詳しくはこちらをご参照ください。140617 震災相談チラシ(東京司法書士会).pdf
~どーなってるの?損害賠償!~
【訴訟提起の手続きとは?】
原発事故により全国各地へ避難している方々が原告となり、各地で次々と集団訴訟が提起
されています。今回は、訴訟提起(裁判)という手段での賠償請求について、簡単な特徴
と、最近の状況について紹介します。
 
【直接請求・ADRとの違い】
東電への直接請求では、東電の定める基準での妥協を余儀なくされたり、A D R手続で
は、申立てた被害者・東電双方が和解案に応じなければ和解は成立しません。
この点、裁判では、裁判官が、法に基づいて、訴えた人の損害が原発事故によるものかど
うか判断し、原発事故による損害と認めた場合は、その損害額を判断します。(原子力損
害賠償紛争審査会の指針でも、「個別具体的な事情に応じて相当因果関係のある損害と認
められることがあり得る」としています。)そして、訴えた被害者、東電どちらも納得し
なくても、裁判所は、判決という形で判断を下します。
しかし、裁判官が判断をする上で必要な証拠は、原則として訴えた側が用意する必要があ
ります。裁判官を納得させられるレベルの証拠が必要ですので、証拠の取捨選択には訴訟
手続や法律に対する高度な知識が必要です。特に、原発事故損害賠償訴訟は複雑なもので
すので、弁護士(弁護団)が代理人となって手続きをしているケースが殆どのようです。
また、一般的に、裁判による解決には時間がかかります。各地での原発事故損害賠償訴
訟についても、判決に至ったとの報道は、現時点で見受けられません。また、裁判の場合、
裁判所への手数料(請求額が500万円の場合3万円)や、弁護士費用などがかかります。
 
【全国初 賠償金仮払いの仮処分決定】
5月20日、京都地裁は、東電に対し、避難指示区域外から避難している男性への賠償金
の仮払いを命ずる仮処分決定をしたと、新聞各紙が5月26日に一斉に報道しました。
福島県の避難指示区域外から避難した男性(本人、妻、幼児ら3人の5人家族)は、約1
億3000万円の損害賠償を求めて京都地裁へ提訴。その後、賠償金の仮払いがないと生
活できないとして、仮払いの仮処分を求めた。
京都地裁の決定では、「自主避難の損害と事故の因果関係は事案ごとに判断すべき」と指
摘し、「男性の休業損害は事故と因果関係がある」と認定した。その上で、避難前は会社
経営していた男性にとって少なくとも約120 0万円の休業損害が「原子力損害」に当た
ると算出した。事故が原因で精神疾患になったとする男性の主張を認め、男性と子育て中
の妻は無職無収入で就労が難しいことから今年5月から1年間、月額40万円を支払う必
要性を認めた。(2014.5.26 京都新聞より抜粋)
この決定について、原告代理人は「裁判が長引くと生活が立ちゆかず低い賠償金でも受け
入れざるを得ない場合も多い。仮払いによってしっかりと訴訟を継続することができ、た
とえ1年間でも意味は大きい。」とコメントしています。(2014.5.26 毎日新聞より抜粋)
なお、この仮処分決定に対し、東電側は異議を申立てています。(2014.6.3 各紙報道より)

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