その2 店舗の賃料の減額の申入れについて
新型コロナウイルス対策でお悩みの市民の皆様に、東京司法書士会からちょっとした情報を提供します。
その2 店舗の賃料の減額の申入れについて
Q.未曽有の新型コロナウイルス感染症の蔓延により、店の売上が激減してしまい、借りている店舗の賃料が支払えません。また、今後も売上減少の状態が続くと、今のままの賃料額を支払うことができません。賃料を減額してもらうにはどのようにすればよいでしょうか。敷金は、賃料の6か月分を入れているので、そこから相殺してもらえるのでしょうか。
A.賃料を支払えないからといって、勝手に支払いをストップしてしまうことはやめてください。そのような状態が続くと、店舗の賃貸借契約を大家さんから解除される可能性が高くなります。
この点に関しては、国土交通省が不動産関連団体を通じて、飲食店等のテナントに不動産を賃貸する事業者に対して、新型コロナウイルス感染症の影響により、賃料の支払いが困難な事情があるテナントについては、その置かれた状況に配慮し、賃料の支払いの猶予に応じるなど、柔軟な措置の実施を検討頂くよう要請しています。
http://www.mlit.go.jp/report/press/totikensangyo16_hh_000201.html
まずは、大家さんに現状を説明し、すぐには賃料を支払えないが、いつから支払えるようになるという、滞った賃料の支払い計画などを示して、協力を求めてみましょう。
なお、敷金からの賃料の相殺を借主側からお願いしても、大家さんが応じてくれない限り認められません。
今後の賃料の支払いについて、借主側が勝手に決めて減額した金額を大家さんに支払ったとしても、それは適正に賃料を支払ったことにはならず、やはり店舗の賃貸借契約の解除の原因となります。
賃料の減額についても、まずは大家さんに協力を求めてみましょう。
応じてもらえない場合は、賃料減額につき「調停手続き」を行い、賃料の減額を簡易裁判所で決めてもらう必要があります。また、賃料の減額が決まるまでは、今まで通りの賃料額を支払う必要があります。その際に、延滞している賃料についても、大家さんとの話し合いにより解決するということも考えられます。