「裁判外紛争解決手続の利用の促進に関する法律施行規則の一部を改正 する省令案」及び「裁判外紛争解決手続の利用の促進に関する法律の 実施に関するガイドライン改正案」に関する意見
「裁判外紛争手続の利用の促進に関する法律の実施に関するガイドライン」の改正案につき、下記のとおり意見を述べます。
記
改正案に概ね賛成ですが、2 (5)(イ)の和解内容に関する法律上の問題に、(a)「和解の対象である事項が和解の対象とすることができない紛争に関するものでないかどうか」を追加することには反対します。
上記の項⽬の追加が、特定和解の⺠事執⾏の却下事由の⼀つに「特定和解の対象である事項が、和解の対象とすることができない紛争であること」(法第27条の2第11項6号)が挙げられていることに対応していると推測します。
この却下事由にあたる和解を仲介することを防⽌するために、和解の対象とすることができるか否かについて弁護⼠に助⾔を受けることができる措置を定めるべきであることは理解できます。
しかしながら、ADR での和解の仲介や和解あっせんの⼿続きの中で取扱う紛争は、裁判⼿続きの中では和解の対象とすることができないような私的な紛争も多く含まれています。
特に対話促進型のADR ⼿続きにおいては、強⾏法規違反、公序良俗違反でない限りは、何を話し合いの課題とし、何を和解の対象とするかについて広くとらえ、当事者の意思を重視しています。
また、特定和解の適⽤除外の紛争を取り扱う場合や、適⽤範囲内の紛争が対象であっても⺠事執⾏をする旨の合意を取り扱わないことを選択する事業者もあると考えられます。
したがって、「和解の対象である事項が和解の対象とすることができない紛争に関するものでないかどうか」は、⼀律的に、「和解内容に関する法律上の問題」ととらえるのではなく、執⾏決定の申⽴のできる特定和解をする場合に限り「和解内容に関する法律上の問題」とすることが適当であると考えます。
以上