不動産登記制度の新たな段階と 民事裁判手続のデジタル化の進展を迎えて(会長談話)
令和8年4月1日
不動産登記制度の新たな段階と民事裁判手続のデジタル化の進展を迎えて(会長談話)
東京司法書士会
会 長 千 野 隆 二
本日、住所又は氏名・名称(以下「住所等」といいます。)の変更登記の申請義務化に関する法改正が施行されました。
これにより、不動産の所有者は、住所等に変更があった場合には、その変更の日から2年以内に変更登記を申請することが義務付けられることとなります。正当な理由なくこの義務に違反した場合には、過料の制裁が科されることとなります。
今回の制度は、令和6年4月1日に施行された相続登記の申請義務化、さらにはそれに先駆けた相続土地国庫帰属制度の創設とあわせ、不動産登記制度を通じて所有者不明土地問題の解消を図る一連の法改正の重要な柱を成すものです。本日の施行をもって、これらの制度改革は一つの節目を迎え、不動産登記制度は新たな段階に入ったものといえます。
あわせて、住所等変更登記の申請義務化に関連して、法務局が住民基本台帳ネットワークシステム等の情報に基づき職権で住所等の変更登記を行うスマート変更登記制度が開始されます。この制度を利用するためには、あらかじめ「検索用情報の申出」を行うことが必要とされており、国民の皆様の手続負担の軽減を図るための仕組みとして位置付けられています。
しかしながら、これらの制度は必ずしも十分に周知されているとは言い難く、その趣旨や必要性について国民の皆様の理解を深めていくことが不可欠です。
また、相続登記の申請義務化については、令和9年3月31日に施行後最初の申請期限を迎えることとなります。既に義務の対象となっている不動産をお持ちの方におかれましては、早期の対応が求められており、今後は制度の周知にとどまらず、適切な義務履行の確保が重要な段階に入っているといえます。
当会では、これまで同様、法務局、自治体その他関係機関と連携し、これら一連の制度についての周知を一層進めるとともに、国民の皆様が安心して相談できる体制の一層の充実を図ってまいります。相続登記や住所等変更登記をはじめとする各種登記手続については、是非お近くの司法書士に御相談いただきたいと考えております。
さらに、本年5月21日からは、民事裁判手続の全面的なデジタル化が新たな段階を迎え、訴状の提出をはじめとする手続のオンライン化が本格的にスタートします。登記制度とあわせ、我が国の法的インフラは、紙を前提とした運用から、データを基盤とする運用へと大きく転換しようとしています。
民事裁判手続に関するお困りごとや手続に関する御相談につきましても、司法書士が裁判所提出書類の作成支援や簡易裁判所における訴訟代理等の業務を通じて対応しておりますので、安心して御相談いただきたいと考えております。
このような時代の転換期において、司法書士には、従来の専門性に加え、デジタル化に対応した実務能力と、国民の皆様に寄り添いながら制度の円滑な利用を支える役割が、これまで以上に求められています。
登記、供託、訴訟その他の法律事務の専門家である私たち司法書士は、その使命を改めて自覚し、制度の適正な運用を担う実務家として、また国民の皆様の最も身近な法律専門職として、社会の期待に応えるため、今後も司法書士及び司法書士会が一丸となり、国民の権利の保護と安全・安心な社会の実現に向けて取り組んでまいります。
以上

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